【書評/レビュー】肉体改造のピラミッドトレーニング編【AthleteBody】

AthleteBodyの八百さんが翻訳してくださった書籍がまた世に出ます。
【肉体改造のピラミッド トレーニング編】です。
著者のEric Helmsさん、Andy Morganさん、Andrea Valdesさん
この三氏の持つ知識の深さとその知識を体系的にまとめる構成力に
圧倒されております。
そしてその情報を日本語にしてくれる八百 健吾さん
ありがとうございます。

自分ひとりでは決してアクセスしきれないであろう情報を
このようにまとめて届けてくれる方がいらっしゃるので、
日本のフィットネス業界にも確度の高い情報が浸透しています。

以前、【肉体改造のピラミッド 栄養編】もレビューしました。
トレーニング編が発売されてから、
こちらの記事へのアクセスがかなり増えているんで
結構気になっている方々が多いんだなと感じています。
栄養編もめちゃくちゃ良書です。
納得し過ぎて思わず書いてあることをそのまま自分に当てはめ、
2.5㎏減量しました。笑
これマジです。しっかり減量できましたよ。

更に前の記事にはなりますが八百さんが翻訳した、
【スターティングストレングス】もレビューしてます!笑
こちらもめちゃめちゃ役立ててる本でして、
BIG3やるなら絶対に読んだ方がいいです。
上のリンクの記事でもスターティングストレングスを読んで
実際にスクワットをしてみて感じたことまとめてます。
参考になればうれしいです。

スクワットだけで50ページくらい解説してくれてます。
日本にこんな本ないですよね。
こちらもおすすめします。

ということで、お待たせしました。
【肉体改造のピラミッド トレーニング編】
のレビューです。

キーワード”からだ作りは長期戦”

「すぐに」、「楽に」、「簡単に」…
こんなワードがにぎわう最近ですが、
そうじゃないということを静かに
でもしっかりと伝えてくれます。

派手で目立つ枝葉末節のメソッドに
どうしても目が向きがちです。
でも最も大切なのは、
”何をするか”ではなく”いかにやるか”
だということを教えてくれています。
ここ本当に大切なポイントです。

まずはどれだけ続けられるかが大切です。
そのためにはケガ、モチベーション、人間関係…
どれだけ普段の生活を犠牲にせずに
積み上げられるかから考えましょう
ということが最優先事項です。
故に”いかにやるか”です。

本当に大切なことほど”地味”なんです。
真価を伝えるのが難しくもあります。
高い所に上らないと見えない景色が確実にあるんですが、
そこに上る手間と時間を掛けられない場合が
めちゃくちゃ多いと感じています。
つまり続けてみないと分からないことはたくさんあって、
欲しい結果も継続の延長線上にしかないはずなのですが、
そこに行き着ける人はほんの一部だったりします。

ちょっと悔しいと感じるのは…
超短期間に超簡単な軽負荷運動で
同一人物かどうか分からない
劇的なBefore & Afterがバズる
昨今のフィットネス業界です。

SNSでも影響力を持っているAthleteBodyさんから
こういう視点を伝えてもらえると本当に溜飲が下がる思いです。
この点に共感してくれる方は多いはずだと思ってます!

科学的根拠と経験談だからこそ納得できる

Ericさんの著書、八百さんの翻訳が好きだと思うのは、
「うんうん」、「そうだよな」の回数が
読んでいて多いからだということに気づきました。

納得できるから内容を消化しやすいんです。
そう言う意味ではトレーニング経験の長い方が
情報を整理したり、確認したり、違う視点で捉えたり
する活用方法がまず思い浮かびます。

個人的には既にトレーニングに励んでいる方に
最もメリットがあるんじゃないかと思っています。

この本と実際のトレーニングを何往復もしてみてください。
つまり書いてあることを実行してこの本を読み返すを
何度も繰り返してみてください。
その中で確実にからだは変わるはずです。

冒頭にもチラッと書きましたが、
私も栄養編の内容を実践して、
しっかり目標期間内に目標分の減量を達成できました。

これもやはりどんなことが書いてあるのかを
しっかり理解して実行できたからだと思っています。

何が理解をスムーズにしてくれるんだろうと読み返すと、
きっと先行研究や参考文献からの学術的な根拠と
Ericさん、八百さんの経験則からくる文章が
説得感を高めているんだと感じています。

もちろんこの点に良さを感じるのは、
読者の経験や好みによる部分もあるとは思うのですが、
これだけ多くの人から支持されているところを見るに
出版側のスキルの高さを感じずにはいられない感じです。

要素の羅列ではなく階層構造だから
このシリーズがいい!

栄養編を含めて理解をスムーズにしている
もう一つの要因としては、
優先順位を階層的に伝えてくれている所です。

視覚的に理解しやすくイメージに残りやすいと
思っています。

何をまず大切にすればいいのかが整理しやすいんですね。
物事はついつい考え込むと思考が狭くなりがちです。
狭い枠の中で答えを探そうとしてしまいますよね。

もちろん考え込む時も必要だとは思うのですが、
今の自分にとって重要度の低いことに時間を割くのも
もったいないです。
今この文を読むと「何を当たり前な…」と思うんですが、
実際こんなことはしょっちゅう起こっています。

例えば、
筋肥大にベストな休息時間が1分だからといって
時間を厳密に管理してもそもそもの強度や量が
肥大刺激になっていないと意味ないですよね。
それならまずしっかりからだに負荷の掛かる条件を
そろえることに集中した方がいいです。

どのプロテインが効果的なのかを議論する前に
まずはしっかり食事できているのかを考えた方が
いいです。

自分が当事者になると考えることが多くなって
今大切にすべきことがよく分からなくなります。
そんな時にでも全体を俯瞰して今すべきことを
捉えやすいのがこの本をおすすめできる理由です。

本書の中でも、
「車が大好きで自分でカスタムした車を
サーキットで走らせたい男の子が
知識を山のように付けても、
普通免許すら持っていなかったら
先に進むことはできない」
という趣旨の例えが出てきます。

不要な取り組みでは無いにしても、
今優先してすることではない所に
注力している場合は自分も含めて
結構な割合であると思うので、
立ち止まって冷静に考える大切さを
伝えてくれています。

からだ作りのための具体的な手段と
重要な考え方を伝えてくれる一冊

大切なことなので繰り返し言いますね。
この本はまずトレーニングを”いかに続けるか”を
ベースに読んでいくことをオススメします。

具体的なトレーニング種目や休息時間、挙上速度は
全て”いかに続けるか”の土台の上に積み上がります。

土台が弱かったり、狭かったりすると
その上に多くのものを積み上げることはできません。
土台が無いとそもそもそれ以上高く積むことすらできません。

その点をしっかり軸において読むと
世にある色々なフィットネス情報を
もっと有効に選択して活用できるようになるとも思います。

最後に私が惚れた一節を引用して締めたいと思います。
火消しには回らず、目的に向けてひたすらに道を貫く姿勢が
かっこよすぎます。私もこうなりたい。

最後に、本書を読んでくれるみなさんに認識しておいていただきたいこととして、本書は基本的に「やるべきこと」をまとめたものであり、「やるべきではないこと」にはページ数を割かないという姿勢を取っています。フィットネス業界内のまちがった情報や有害な習慣がある場合、それを指摘し正すというのは、ときに必要で意味のあることですが、それに終始していると前に進めません。本書では一般的に見られる誤解を正す場面はありますが、実践に役立つ情報や考え方を届けるという目的のもとに全てのコンテンツを構成しています。

肉体改造のピラミッド トレーニング編 [はじめに]P12より引用

詳しくはぜひ読んでみてください。
(下のリンクはAmazonのページに遷移します。)
【肉体改造のピラミッド トレーニング編】

【書評/レビュー】肉体改造のピラミッドトレーニング編【AthleteBody】” に対して1件のコメントがあります。

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