【緊急!】消費者庁がパーソナルトレーニングでの健康被害を調査。今後どうなる?

消費者事故調の中川丈久委員長は「新たなサービスとして今後広まる可能性がある。消費者には事故が起きていることを認識して、無理なトレーニングを控えてほしい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230519/k10014072851000.html

これは5/19付NHK WEBの
ニュースページからの引用です。
”無理なトレーニングを控えてほしい”
この一言がこれから踏み出す一歩を
ためらわせることが無いよう祈ります…
ただでさえ初めの一歩を
踏み出すのは勇気がいることなので。

パーソナルトレーニングに対する
世の中のニーズ

高まっていると感じますし、
色々な知識やスキルを
バックボーンに活躍している
多才なトレーナーさんが
たくさんいらっしゃいます。

インターネットやSNSが後押しして
多種多様な”こうなりたい!”に
各専門家が”それできます!”と
マッチングできる時代なんですよ、今。

クライアント → 願いが叶う
トレーナー → スキルを収入に変える
世の中 → ハッピー(最後雑!笑)

三方良しを体現しやすい
これ以上ない状況じゃないかと
思うんです…

ただ、タイトルにもしたように
色々と問題も山積みなようなので、
・今何が起きてる?
・今後の雲行きは?
・身を守るためにはどうすればいい?
をまとめていきます。

パーソナルトレーニングで骨折!?
ウソのような本当の話

a girl with orthopedic cast sitting on a wheelchair
Photo by cottonbro on Pexels.com

パーソナルトレーニングって
一般的には筋トレのイメージですよね。
筋トレで骨折なんて…
しようと思っても
できるものじゃありませんよ、普通。

それが起こってしまっているようなのです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230519/k10014072851000.html
こちらの記事によれば…

筋肉や神経を損傷したと
届けられた事故が5年で105件、
そのうちの25%が
完治に1か月以上掛かる
重症度

前かがみで
バーベルを持ち上げる
トレーニング
(デッドリフト?)を
2か月続けて腰の骨を骨折

きついスクワットで
内転筋を痛め歩行困難

こんな症例が挙げられています。

健康づくりで
パーソナルトレーニングを
行う人も多いはずなのに
体を壊してしまってる現状が
あるようなのです。

そもそもそんな強烈な強度を
必要としているんでしょうか?

そしてそれをクライアントが
望んでいるのでしょうか?

なんでこんなことに
なってしまうのかを
まとめます。

トレーナー個人や
ジムの運営会社が
ノウハウを持っているとは
限らないのが現状

road sand dirty sign
Photo by Ann H on Pexels.com

こうなってしまう要因は
トレーナーや企業が
リスクを正当に見積もれて
いないから

一言にまとめるとこう思います。
順に詳しく解説します。

トレーナーにトレーニング負荷と
スポーツ傷害のイメージが無い

これはトレーナー養成の
教育機関などを出ていれば
必修で学習するはずなんですが、
多分それが無い。

機能解剖学、
バイオメカニクス、
スポーツ障害・外傷
などが代表的な科目でしょうか。

どの動きでどんな負荷が
どの筋肉や関節に掛かるのか…
最低限の知識は持ち合わせて
おかないといけないはずです。
人の体を触るんですから。

でもそれが達成されていないと
考えています。

その要因の一つとして、
趣味のトレーニングから
パーソナルトレーナーになった
場合が挙げられます。

好きなことを仕事にできるって
いいことかもしれませんが、
蓄積されたものって
ご自身の成功体験のみですよね。
圧倒的に経験値が足りないと
思うんですよね。

学術的に言うとn=1って感じです。
あなたに効果があったけど
それが万人に効くとは限らない。
もしあなたのケガ耐性が
特別に高いからこそ
そのトレーニング負荷に
耐えられたとしたら?

それはノーマルなトレーニングでは
無いかもしれません。

どんな負荷を掛けると
どんなケガのリスクが高まるのか?
そこが結び付かないし、
できない人のことをイメージできないと
お客さんの気持ち分かりませんよね。

加えて、
伝統的に体を鍛える上で
苦痛に耐えることが美学に
なってますよね。
それが目的になってる場合も
あるかも…
それもあって、
追い込んでなんぼ!的な
根性論になっちゃうのかと。

これはもう勉強不足、
経験不足としか
言いようがありません…
知識を増やすなら
文献はたくさんありますし、
このご時世いくらでも
情報収集はできるからです。
(決してYouTubeのコピーを
推奨するわけではありませんが…)

運営企業が
十分なノウハウ持っていない

そんな状態のトレーナーが
現場に出てきてしまう要因は
運営サイドにもあると思っています。

トレーナーの能力を
スクリーニングできていないんです。
そこに重きを置いていないのかも
しれません。

片手間で参入してくる企業とか、

資金だけは持っていて
ガツっと広告は打てるから
認知は取れる企業とか、

近視眼的に
稼げればOKみたいな企業とか、

めちゃくちゃ甘い言葉で誘って
中身微妙なジムとか
無くはないと思ってます。

稼げればいいから
哲学も無ければ、
ノウハウも集めようとせず、
すごく雑で乱暴に言えば
トレーナーの質は二の次で
現場で動いてくれる人がいれば
誰でもいいのかもしれません…

売れていない若い女性タレントに
チョロっとトレーニングさせて
パーソナルトレーナーと称していたり、
資格を取ったばかりの
新米トレーナーを有資格者だとして
現場経験0で起用したり…
その資格も受講すれば即日交付
みたいな超ライトな資格だったら
ほぼアドバンテージ無いですよね。

でも、そんな話も耳に入ってきます。

もちろん、
誰もが最初はできないし、
失敗はあるんです。
クライアントには
大変申し訳ないと思いますが、
トレーナーはそうやって
成長させてもらっている
部分が多いにあります。

ただしそれは、
経験とスキルを持って
ディレクションできる
管理者がいて、
正常な教育システムを
持っている企業であれば…
の話です。

管理者のリードがあれば
見て学べるし、
事前に想定できるし、
仮にミスが起こっても
クライアントへの実害も
最小限で収まると思うんです。
ましてや骨折する事態にまで
は及ばないはずです。

でもそういう体制じゃないから
まずいことになっているわけです。
コストを掛けずに事業を回せば
利益率は上がるって
ロジックなんですかね?

もしそうだとすれば、
ものすごく大切なものを犠牲にした
ビジネスですよね。

賠償保険に入っていない

そんな感じの姿勢と経験値なので
ましてや損賠保険を掛けようとか
思い至ることすらないかもしれません。

熟練のトレーナーですら
トレーニング中のケガリスクを
0にはできません。
日常以上の負荷を掛ける以上
誰にも不可能です。

クライアントの人生を
大きく変えてしまう事故を
自分の過失で起こしてしまうかも
しれないと思うと
めちゃくちゃ怖いですよね。

場合によっては
とても個人で負担できるような
補償額ではないかもしれません。

クライアント側にしても
トレーナーが保険に
入っていなかったら、
万が一があった時の費用は
下手したら泣き寝入りかも
しれません…

通院、入院、
仕事に行けなければ
収入補償…
マジで笑えなくなります。

行こうとするジムがあるなら
サラッと損害賠償について
尋ねてみた方がいいかもしれません。

観察力と想像力が足らんのよ

パーソナルセッションの中身の話をします。

ここまでは会社の仕組みや保険など
少し大きな話だったんですが、
突き詰めれば最少単位の部分
クライアントとトレーナーの所で
リスクヘッジできれば
まだ何とかなりますよね。

大局をいきなり動かさずとも
局地的に問題解決できればいいと
いう感じです。

そのためには、
シンプルにクライアントを
しっかり観察して
次どうなるかを想像する力を
養えばいいと考えています。

観察した現象を想像の材料に
するには多くの経験が必要かも
しれませんが、
多くの人が学校で教わったり
これまでの人生で経験的に
学習してきた基礎的な物理学で
どこに負荷が集中しているのかは
結構理解できると思うんです。

腕を伸ばして物を持つのと
体の近くで物を持つのは、
後者の方が負荷を感じません。
筋トレも同じです。

重たいバーベルやダンベルを
体幹から遠い所で扱うと
想像以上の負荷が掛かるので
ケガをするリスクは
格段に高くなります。

まずはそのことを
頭に置いておくだけでも
かなり感覚的にリスクを
理解できるはずです。

損傷を受けやすい組織や
専門用語はその後から
身に付けても遅くないかと。

まずは動きを、
これ以上無理と言うくらい観察し、
どこにどんな負荷が集中しているのか
目一杯想像してください。
それがとても大切です。

結果が出ないのは嫌だけど、
ケガをするのはもっと嫌だから

crop woman with heart on palms
Photo by Puwadon Sang-ngern on Pexels.com

今後の動きとしてはどうでしょうか?
考えられるのは、

  • パーソナルトレーナーを名乗るための要件が厳格化される

こうなるのではないかと考えます。
今の状態を放置しても健康被害の数が
少なくなることはないでしょうから。

実はそれぞれの企業では
すでに対策しています。
トレーナー資格で求人に制限を
掛けている所は
昔からたくさんあるんですよ。

そこから漏れるのは、
マイクロジムを立ち上げたり、
レンタルジムを使って仕事する
フリーランストレーナーや、
言い方は悪いですが
元々グレーな運営が既定路線な企業ですかね。

景品表示法的な法律で
【パーソナルトレーナー】と
表記するなら満たさなくていけない
要件が一定の基準で設けられれば
いくらか改善するのではないでしょうか?

フィットネス業界が努力義務で設定するのか?
違反者には刑罰があるのか?
理学療法士の様に何かの資格が国家資格になるのか?
全く分かりませんが…

仮に法で縛るとなると、
さすがに法律を破ってまで続けるメリットは
ないと思うので要件を満たせなかったり、
旨味を見出せない事業者は撤退するのでは
ないかと思います。

それもそれでなんか窮屈ですが、
決して可能性0%の未来とは
言えなそうな現状と考えています。

クライアントの立場になる場合
自分の身を守るため、
・出自を明らかにしている
・損賠保険に加入している
・保有資格を明らかにしている

こんなトレーナーやジムを
基準にするといいかもしれません。

あなたはどう思いますか?
ご意見をお聞かせいただけると
嬉しいです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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