【お酒はドラッグ!?】受け入れるべき事実…お酒を飲むとスポーツでのケガが多くなる
プロ野球のビールかけ、F1のシャンパンファイト…
それ以外にも人によっては観戦、応援の必須アイテムだったりしますよね。
実際にスタジアムでもお酒は簡単に手に入りますし。
スポーツとアルコールは、
する側にも見る側にも思っている以上に密接しているものかもしれません。
決してアルコールそのものを否定するわけではありませんが、
からだ作りを含め真剣にスポーツに取り組みたい場合には
要注意な情報を共有したいと思います。
アルコールはドラッグなんです…

今回、参考にするのは、この論文です。
https://www.researchgate.net/publication/12477163_Alcohol_and_the_Athlete
この中で、「アルコールは最もよく使われているドラッグだ」 という一文があります。
あまりにも身近にあるので意識できないこともありますが、実際にはそうなんですよね。
”酒は百薬の長、されど万病のもと”
とも言われるように、付き合い方を間違えると身を滅ぼします。
それは、スポーツ選手ですら例外ではありません。
ケガ事例の半数以上は飲酒が原因?

上に紹介した論文の中では、
まず二日酔いによって、有酸素性のパフォーマンスは11.4%低下すると言われています。
発揮できるはずの能力が1割も低下したら、話が全然変わってきます。
でも、二日酔いのあの状態を思い返すと、
その瞬間は「もう絶対酒なんて飲まない…」ってなりますよね。笑
程度にもよりますが、それに近い状態であれば低下も当然ですかね。
むしろ10%どころじゃ済まない気もしますが…
それでも、アスリートの48%が試合や練習前日に飲酒していたとする先行研究があったり、
その数字が58%に上る最近の研究もあるみたいです。
文化や人種、お国柄もあると思うので全てがこの数字に収束するとも思えませんが、
日本人的な感覚ではちょっとびっくりです。
日本はもっと少ないんじゃないかと思いますが(限りなく前日飲酒は0%であってほしい)、
実際はどうでしょうね?
更にこの論文の中では、1週間に1回以上飲酒するアスリートのケガをするリスクは
飲酒しないアスリートの2倍になるとしています。
サッカー、ラグビー、バスケット、自転車やテニスなど13のスポーツのケガ状況を調べると、
そのケースの58.4%は飲酒者であり、非飲酒者の23.5%の倍以上だったとしています。
その大きな原因は二日酔いです。
謎のビール神話

面白い調査もあります。
フィールドスポーツ(サッカーやラグビーを指しています)の選手と審判にお酒の好みを聞いてるんです。
かなり偏ってまして、選手も審判も95%以上がビールを好んでいました。
ワインや蒸留酒(ウィスキーなど)はそれぞれ5%にも満たない程度。
ビール圧勝です。
そんなことも手伝ってか、
ビールで栄養補給ができるとか、高エネルギーで効果的な飲料だとする謎の神話が存在するみたいです。
「そんなわけあるかよ…」って感じですよね。都合よすぎ。
実際には全くの真逆で、
含まれているエネルギーはスポーツ活動には全然足りませんし、
アルコールの利尿作用で脱水を起こします。
更には、日常的なアルコール摂取は通常のPFC(たんぱく質、脂質、糖質)バランスを崩し、
貧血やナイアシン欠乏症、末梢神経炎、脚気、ウェルニッケ脳症などの疾患につながる
栄養失調を助長するとありました。
これだけ飽食の時代で栄養失調起こすのはちょっとやばいですよね…
こんな報告もあります

ここまでは、大方の予想通りですよね。
やっぱりお酒はよくないんだという内容です。
ただ、こんな研究もありまして以前ブログで紹介しています。
【お酒と筋トレ】断酒の必要なし!?アルコール少量摂取なら筋肥大ホルモン(テストステロン)は増加する話
正直全く逆の主張で、運動にポジティブな話なので
「どっちが本当なの!?」になるかと思うんですが、
是非とも真反対の主張を見比べてあなたなりの結論を出してほしいと思います。
これも1つのトレーニングだと思っています。
誰かが言ったことを盲目的に信じるのはかなり危険です。
楽なんですけどね、考えなくていいから。
でもそのままだと本当に考えることをしなくなってしまうので、
両極の意見を見る → 自分の考えをまとめる → 考えに沿って行動してみる
このサイクルを繰り返すようにしてほしいと思います。
何が正解かは正直分かりません。
この繰り返しが間違いなく、
世に転がっている玉石混交なフィットネスの情報を活用することにもつながります。
リテラシーを上げていきましょう。私も日々勉強だと思っています。
アルコールはドラッグ

まとめます。
今回の結論は、「やっぱりアルコールはスポーツにおいてはよくないよね。」です。
ドラッグという少しドキッとするワードも使いながら、
警鐘を鳴らしているんじゃないかと思っています。
本当に真剣にスポーツをしたいのであれば、
使用にないことを勧めるとこの論文では明確に書いてあります。
以前から震えを治療するためにアルコールが使われてきたこともあり、
近代5種やフェンシングなど点を射抜くようなスポーツについては
禁止物質として扱っているものもあります。
ドーピングなんですね。
ここまで書いてきて、結構付き合い方が繊細だと思います。
若いアスリートに対してはちゃんと教育していかないといけないものだと思います。
色々とハメを外すことは容易に想像できますからね。
それが色々な意味でかわいいもので終わらないリスクを伴う以上、
扱い方には注意が必要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。