【SEBT/YBT】動的バランスをチェックしてみましょう。あなたはどこまで伸ばせますか?【まとめ】

今回はバランスをチェックする方法を1つ紹介します。4年くらい前に少しだけかじったのですが、あまり深く知ろうともせず指示されるがままにやっていたのをふと思い出してもう1度調べてみることにしたのでまとめてみたいと思います。

当時、こんな簡単に情報入ってきたかな?って感じるくらい簡単に検索できます(ただ、ググるのが下手なだけだったかもしれません…笑)。
バランス能力をチェックする方法の1つです。少し難しいので誰にも適応できるわけではありません。特に高齢者に実施する場合は注意が必要になりますが、動的なバランスを見ることができることとケガのリスクについて具体的な数字でエビデンスが示されているのでスポーツの動作に対するチェックとしては説得力があるなといった印象です。

それでは、見てみましょう。

まだ、片脚立ちやってるんですか?スポーツをしているなら不十分ですよ【SEBT】

冒頭から若干煽ってますが、かなり大切な部分だと思っています。
じっと30秒立てたとして、その結果からスポーツのパフォーマンスって分かりますか?どんなスポーツもそんなに長い時間同じ姿勢を取り続けるものってほとんどないですよね。

確かに基礎的な体力要素ではあるかもしれませんが、どこまで遠くにリーチできて体制を保てるかとか崩れかけた姿勢を立て直して動くとかを確認する方が実用的だと思っています。特に自分のタイミングで動けない球技の場合はまさにそんな状況だらけかなと思います。日常生活においても同じことが言えるかと思います。不意を突かれて体勢を崩される場面てありますよね。この時もとっさに体勢を立て直せたらいいですよね。

今回紹介するのはStar Excursion Balance Test(SEBT/スター エクスカージョン バランス テスト)という、脚の関節を曲げ伸ばししながらバランスを取っていくテストです。どんなテストなのか、どんな数値が指標になるのかを順にまとめていきます。

リーチしながらバランスを取る

2mくらいの長さでテープを2本切って十字を作ります。同じセットを45°ずらして中心を合せて貼れば、準備は完了です。簡単ですね。

全ての交点を1か所に集めて、その上に足部の中心が来るように片脚立ちをしてテストをスタートしていきます。遊脚(床から浮いた足)を各テープ方向のできる限り遠くにリーチして直立の姿勢に戻ります。リーチ後直立の姿勢に戻れないといけませんし、リーチした足は床をタップする程度に留めなければいけません。つまり伸ばした足に体重を掛けてはいけないということになります。それを全8方向行ってリーチできた距離を記録してみましょう。
形が『星』っぽいから【Star】、脚をあちこちに動かすことから小旅行という意味の【Excursion】という名前が付いているみたいです。何かシャレてますね。

左右差が4cm以上はケガのリスクが跳ね上がる

上の動画でも出ていますが、同じ動きを3回繰り返してその平均を記録として取っています。左右をそれぞれ記録して各方向の左右でのパフォーマンスをチェックしてみましょう。

注意点は同じテープ上の左右差ではなく、左右で対応する同じ動きを比較することです。右と左が変わると、同じ動きでリーチする箇所がテストフィールドの中心を基準にした線対称になります。下の図を見てください。左右の図の同じ番号の数値を比較します。上部の左/右は軸足です。



特に正面①の数値の左右差が4cm以上あると、低い数値を出した側の軸足(例:右足タップが70cmで左足タップが60cmだった場合、右足)のケガを負うリスクが2.5倍になるという研究結果が報告されています。

これらのエビデンスは下のURLの論文を参考にしました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17193868/

このテストはリーチした距離を見ていますが、機能としてはリーチ脚ではなくフィールドの中心にある軸脚の機能を見ています。特に足首の捻挫を繰り返している場合などは足首を曲げにくくなる場合が多く、脛が前に倒しづらくなっています。そうなると当然遠くにリーチすることができないので、結果は低く出ます。足首の状態がこのテストの結果を大きく左右します。捻挫していなくても他の原因で足首の可動域に制限があると同じように良いパフォーマンスが出ないので、ケガの素因となるきっかけを把握するのにも役立ちます。足首が十分に動かなければ当然、膝や股関節、腰に大きな負担が掛かりそれらのケガリスクも高まります。

実は、もっと簡単な方法もあります【Y balance test】

実は、前方と斜め後方の2本の合計3本だけでテストすることも可能です。見ている能力も変わりません。扱う情報が少なくなるのでシンプルで選手の負担も軽減されると思っています。サクッとできるので時間が掛けられない時におススメです。
また、高校女子バスケットボールに関しては複合スコア(各3方向にリーチできた長さの合計/脚の長さの3倍×100)が94%を下回るとケガのリスクが6.5倍に跳ね上がるという報告もなされています。

機能を見るなら【SEBT】をやってみよう

片脚立ちよりも難易度は上がりますが、そこから得られた結果がケガのリスクを上げるものかどうかの判断材料になるのがとても有益なテストだと思っています。スポーツのためでなくても、安全を担保してできれば動き方の質を確認するテストとしても流用できそうですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

いくつか上げているFMSに繋がる部分もあるので興味ある方はこちらの記事もどうぞ↓
【動作を見る】ファンクショナル ムーブメント スクリーンって知ってますか?【ここまでのまとめ】
【FMSまとめ②】実はとても計算された動きだった!何度も同じ動きを繰り返して確認精度を高めている話

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です