夕方の高強度トレーニングは寝つきを悪くするのか?睡眠の質への影響を知っておこう。

あなたは
いつ、どのくらいの強度の運動をして、
その後どう過ごしていますか?

ライフスタイルがとても多様化してきて
食習慣、運動習慣などの組み合わせも
多種多様ですよね。

それこそ24時間ジムを運営する事業者や店舗数
がかなり盛り上がっているところを見ると
そういったニーズへの回答なんだろうなと
思わずにはいられません。

食事サービス系のサブスクリプションが
増えているのも、
忙しい中であっても
健康に気を配りたいと考える
消費者の意識の高さの表れかと思います。

やっぱりどの側面を切り取っても
世の中全体の健康意識は間違いなく
高まっているんだろうなという感覚は
嫌でも(別に嫌なわけじゃないんですが)
感じますよね。

健康に過ごすための要素として
良く言われるのは
【運動】
【栄養】
【休養】
の三大巨頭ですよね。

この中で【休養】が
少し置いて行かれている気がするのは
私だけでしょうか?

したいことがたくさんあるからと言って
睡眠時間を削ってまで達成しようとするのは
ちょっとナンセンスかなと思ったりします。
人生の1/3は寝ていないと長く健康を守れません。

自分のしたいことを長い期間続けたければ、
睡眠時間は決して削ってはいけない
必要コストなんですよね。
この辺りはトレードオフな関係にあるものだと
思っています。

更にはその睡眠の質も大切ですよね。
いくら寝てもすっきりしないとか、
睡眠時間は十分なはずなのにぐったりしてるとか
そんな経験も1度くらいはあるんじゃないでしょうか?

そんな折に、少し興味を惹かれる話題を見つけたので
今回は運動と睡眠の質について少し考えてみようと思います。

関連記事
【睡眠の質を上げよう】リラックスホルモン”セロトニン”をどうやって増やす?【5HTP】

運動が大きく睡眠を障害することは無いという結果

elderly sportsman resting on exercise mat after training
Photo by Anna Shvets on Pexels.com

今回もいくつか論文を拾って読んでみました。
その中で共通する結論としては、
大きく睡眠を障害することは無い”
というものでした。




正直意外でした。
このあとの章でもっと詳しく書こうと
思いますが、少し実体験ともズレるかな~
と思うところもあったりします。

でも、頭のいい学者さんたちが出した結論なので
それはそれとして受け止めてみようとも思います。

統計上出た結果を100%突っぱねるのも
少し違う気もしますし。

どんな結果だったのか次の章で解説します。

論文解説

pen business eyewear research
Photo by Anna Nekrashevich on Pexels.com

まずはこちら

健康な参加者に対する夕方トレーニングの睡眠への効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30374942/

まずこの論文で挙げられている仮説として、
”睡眠の質を落とす潜在的に不利な影響が考えられるので
夕方のトレーニングは推奨されていない。”
ということが冒頭に書いてあります。
つまり夕方以降にトレーニングすると
眠れなくなるんじゃない?
ってことを検証する研究です。

この研究は複数のデータベースから
同じテーマの研究をピックアップし、
それぞれの結果を統計処理する
システマティックレビューという手法を取っています。
研究の根拠レベルとしては最も高いとされているものです。

その中で、
健康な成人の非運動グループ
(以下、コントロールグループ:CG)と
夕方に1セッションしたグループ
(以下、トレーニンググループ:TG)の
睡眠状況を評価しました。

結果としては、CGと比較しTGは
顕著なREM潜時増加
(+ 7.7 min; p = 0.032)と
徐波睡眠増加
(+ 1.3 percentage points [pp]; p = 0.041)

NonREM睡眠のステージ1減少
 (- 0.9 pp; p = 0.001)
が見られました。

寝入るまでの時間が長くなり、
最も深い眠りの時間が増し、
更には眠りの最深部に到達する時間が
短縮されたということでした。

また、
入眠時気温が高いほど、
睡眠効率(SE)を下げ
(b = – 11.6 pp; p = 0.020)、
中途覚醒時間(WASO)を増やす
(b = + 37.6 min; p = 0.0495)
ことも明らかにされました。
この辺りは感覚的にも予想付きますよね。
真夏は寝苦しいですし。

更に興味深いのは、
それぞれの身体活動量に対して
より高い強度の運動は
SEの低下
 (- 3.2 pp; p = 0.036)と
WASOの増加 
(+ 21.9 min; p = 0.044)
に関連していました。
がっつり動けば動くほど
睡眠の質は落ちるということですよね。
何となく反対かと思っていました。

睡眠に最適な運動強度は
具体的には示されませんでしたが、
あまり高くない方が良さそうです。

ほどほどの運動強度で
ほどほどにからだを
疲れさせる感じでしょうか。

サイクリングに比べ、
ランニングはWASOを減少
(- 12.7 min; p = 0.037)
させたというのも面白いです
ここに因果があるんですかね?
相関関係が高いというだけの話
じゃないかと思うのですが…

どちらにせよよく眠りたいのであれば
有酸素運動の選択は
ランニングが良さそうですね。

全体として出された結論としては、
夕方の運動が睡眠にネガティブな影響を
及ぼすという仮説を支持しない。
実際にはその逆である。
しかしながら、
入眠潜時、
総睡眠時間、
睡眠効率は
眠る直前1時間以内の激しい運動で
障害されるかもしれない
という内容です。

有意な差があったから、
具体的な数字を出していると
思いながら読んでいたので
若干混乱です。笑

トータルではそこまで大きな影響は
ないということみたいですね。

睡眠の質を落とすかもしれない条件も
示されてはいますが、
激しい運動をして
1時間以内に眠りに就くって
ちょっと現実的ではないですよね。

あまり気にしなくても良さそうです。

もう1つの論文は、
健康な成人における夕方の高強度運動が睡眠に及ぼす影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34416428/
というタイトルです。
同じような研究が
あちこちでされている
印象ですね。

こちらは概要として
まとめられているのみでしたが、
以下で内容を追ってみます。

======
中強度運動は総じて
睡眠の改善に推奨されているが、
入眠前の高強度運動をしようとは
思いませんよね。

この研究は
システマティックレビュー、
メタアナリシスを用いて
非運動のコントロール群(CG)になる
睡眠の質に問題のない人たちと比較して
健康な成人の急性的、慢性的な
入眠前の高強度運動が
夜間睡眠にどう影響を及ぼすかを
検証しました。

つまり運動しない人と比較して
いつも寝る前に
高強度運動をしない人とする人の
睡眠の質はどうなっているかを
調査する研究という感じです。

論文1と同様に複数の論文データベースから
対象になる論文を集めて横断的に検証しました。
図らずもその作業は2021年5月31日まで行われた
ということなのでかなり最新の内容になりそうです。

客観的(睡眠ポリグラフ検査、活動量計測)
かつ/または
主観的に座りがちな
健康体でよく眠れる人たち(18-50歳)について
夕方の高強度運動後の睡眠を評価しました。

論文を集めた結果、
15件の実験の中で総参加者194名について
普段、夕方に高強度運動をしない人たちの
様子についての研究を調べました。

結論としては、
就寝前0.5-4.0時間で、
普段は夕方に高強度運動をしない人たちは
CGと比較してREM睡眠を減少させました
(-2.34%; p = 0.002)。
その他の重要な変化はありませんでした。
普段から夕方に高強度運動をしている人は
その運動で睡眠を障害されることはなかったようです。
全体として、
就寝前0.5-4.0時間での高強度運動は
普段は夕方にそのような運動をしない
若年-中年の健康な成人の睡眠を障害しない
と結論付けています

ガシガシ動いた30分後に寝る状況が
こちらもまた非現実的だとは思いますが、
4時間後は結構リアルな数字ですよね。

REM睡眠が減ったということは、
深い眠りに入っている時間が
少なくなっているということを
意味するはずです。

この高強度な運動を寝る前にすると
睡眠の質に影響があったとする結論は
論文1と共通してますね。

でもそれ以外に特別な影響はなく、
普段夕方に高強度な運動を
している人には影響なしです。

睡眠の質が変わってしまった人たちは
普段していないことをしているので
何かが起きるのは当然の結果とも言えます。

普段から夕方に高強度運動をしている人たちは
その習慣にからだが適応した結果、
影響を受けなくなったと
解釈できると思うのですが、
その適応はどんな条件で起こるのかは
示されていませんでした。
まだ発表から日が浅いので、
今後を待つという感じかもしれません。

最終的には、
REM睡眠時間の減少は見られましたが
睡眠への影響は無しという結論でした。

これホントでしょうか?

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Photo by Olya Kobruseva on Pexels.com

あなたも経験上感じている部分が
あるかもしれませんが、
上に示した論文の結論って
ちょっと実体験とズレている
と思いませんか?

夜に高強度な筋トレをしたり、
めちゃくちゃ汗をかくような運動を
した後って体の興奮が収まるまで
結構な時間必要ですよね。

ギンギンに目が冴えてしまって
なかなか寝付けなかったり、
途中で何度も起きてしまったり、
もっと寝ていられるのに
何故か早起きしてしまったり…
なんか寝たんだか寝てないんだか
よく分からなくなる感じがするのは
私だけでしょうか?

それぞれの論文の中で示された数字は
明らかに睡眠の質を落としていると
思うんですけどね。
得たデータと結論が噛み合っていない
という方が正しいかもしれません。
上に示した論文のどちらも
大きな影響はなしという結論なので。

何となく眠れていないこの感じが
主観的な感覚のエラーなのであれば、
なぜそうなってしまうのか?
が知りたくもなります。

結局は寝れていないと
感じてしまうことで
生活の質は確実に
影響を受けると思うので
結構主観的な満足度も
大事だと思うんですよね。

ちょっといい枕とかにすると
変わったりするんでしょうか?
興味ありますね。

例えばこんなやつです。

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おそらくですが、
中途覚醒(WASO)とかには
結構効果ありそうです。
寝る姿勢によって呼吸効率も
影響を受けますからね。
疲労が睡眠時無呼吸に影響している
可能性もあると思いますし。

現状での結論は大きな影響なしです

woman sleeping in bed near smartphone
Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

まとめます。

統計的に見て、
夕方の高強度トレーニングが
睡眠に大きな影響を与える
ことは無いというのが
現状の結論です。

もちろん個人差はあると
思いますし、
ミクロな部分では
影響を受けた数値もあるので
多少の変動はあります。
あくまでも無視していい範囲の
変化に留まったという感じでしょうか。

更には継続した取り組みで
その影響は薄れていくようです。

ライフスタイル上、
どうしても就寝数時間前に
トレーニングするしかタイミングがない
という人はかなり多いと予想します。

最初は少し大変かもしれませんが、
習慣にしてしまえば(それが大変ですが…)
軌道に乗って効果を出してくれそうですよね。

現状では、夕方のトレーニングを
積極的に回避する根拠はありません。
参考にしてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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