【3パターン】ぎっくり腰のメカニズムを知っておこう【あなたの腰の破壊耐性は?】

今回はぎっくり腰に代表される急性腰痛症を取り上げ、どんなメカニズムで起こるのかその原因を見ていきます。今回は腰痛をピックアップしていますが、急性の痛みに関しては他の部位についても同じ考え方ができるので参考にしてください。これから紹介する【痛みを発する3パターン】を抑えておけば未来に起こる痛み、ケガを予防できる可能性がグンと高まります。
それでは、いってみましょう。

限界を超えた瞬間が痛み発症の瞬間です

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理由や過程はどうあれ、急激な痛みを発する原因はあなたの限界ラインを突破した瞬間です。この限界ラインは人それぞれで異なりますし、ライフスタイルやあなたの持っている身体的特徴によっても異なります。様々な原因が考えられるのですが、今回はその中で、3つの【破壊耐性】パターンに注目してみていきたいと思います。聞きなれない言葉ですが、とても重要な要素なので是非チェックしてください。

3つの破壊耐性

では、見ていきます。
【破壊耐性】、読んで字の如く破壊に対する耐久性と捉えてもらって構いません。からだの構造がそれを壊そうとする力に対してどの程度耐えられるかということですね。分かりやすく何も負荷の掛かっていない状態の破壊耐性を”100″として考えましょう。この”100”を超えるとケガをします。ただ、このボーダーラインとなる数字は色々な条件で変動します。条件が悪いと”50”になり簡単にケガをしやすい状態になりますし、条件が良いと”120”になり今まで以上にケガをしにくいからだになります。

まずは破壊耐性を下げる要因をチェックしましょう。

①1回の大きな負荷

これはイメージしやすいと思います。要するに重たいものを床から持ち上げようとした時にグキッ!とやってしまうパターンです。前に屈んでものを持つという動作で瞬間的に体重の何倍もの負荷が背骨に掛かります。そうすると瞬間的にあなたが持つ背骨の破壊耐性を瞬間的に大きく上回る負荷が掛かり、痛みやケガにつながります。背骨周りの筋肉や靭帯、椎間板や背骨そのものが大きな負荷に耐えきれなくなってしまうんです。

②長時間持続して掛かる負荷

こちらも誰しもが1度は経験しているはすです。長い時間立ちっぱなし、座りっぱなしなど同じ姿勢を取り続けると腰が重だるくなりませんか?これが正にこの状況です。あとは、何かの作業に没頭して長時間同じ姿勢を取るのも当てはまりますね。実は立っている時よりも座っている時の方が背骨の間にある椎間板というクッションの役割をする組織には大きな負荷が掛かっていると言われています。椎間板のすぐ近くを脊髄(神経の束)が通っているのですが、姿勢によってはこの脊髄を圧迫する方向に椎間板が飛び出してしまうリスクを大きくします。
このような自覚的にはインパクトが低めの負荷が長い時間掛かり続けます。でもその時間が多くなればなる程、少しずつ腰回りの疲労が蓄積され破壊耐性を下げていきます。この下がり続けた破壊耐性と掛かる負荷の強さが交わった時にケガをします。

③繰り返される負荷

こちらも1回当たりに掛かる負荷の大きさはそこまでダメージを与えるようなものではありません。でもその回数が多くなると負荷の総量は無視できなくなります。物を持ち上げる動作や右から左に移し替えるような動作を長時間繰り返す場面が該当します。同じ動きは当然ながら特定の箇所に掛かる負担を大きくします。1回当たりの負担は小さくてもその回数が多くなれば毎回負担を負う箇所には疲労が溜まってきますよね。そうすることで破壊耐性が下がります。もし、行う動作に本来不要な動きや更に負担を大きくする動きが含まれていると1回に掛かる負荷の大きさも変化します。例えば何もなければ「1.0」の負荷でも、もし動かし方のエラーで「1.1」になっていればそれに反復回数が掛かりますからその総量は結構変わります。同じ100回反復でも前者は「100」で後者は「110」で10%増量です。同じ動作でもケガにつながる反復回数や時間には個人差がありますし、同一個人であってもその時のコンディションでケガのリスクには差があります。

紙1枚でぎっくり腰の正体

woman harvesting vegetables in rural area
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ぎっくり腰を経験した人に話を聞くと「紙1枚、ペン1本を拾い上げようとした瞬間に…」と言ったように本当に些細なことで発症している例を耳にします。実はこれらの例も破壊耐性を使って説明できます。

さすがに紙1枚の重さが破壊耐性を超える負荷になってしまう人はいないので、これは簡単に除外できます。
残りの2つはどちらも該当する可能性があります。発症直前までの過ごし方、負荷の掛かり方(長時間の同一姿勢、繰り返される動きなど)で腰のキャパシティギリギリの水準までストレスが高まっていて破壊耐性が落ちていたんです。そこに前に屈んだ負荷が掛かり破壊耐性を超えて発症したというストーリーが考えられます。腰にとどめを刺してしまったわけです。「こんなことしなければよかった…」と後悔するかもしれませんが、別の場面でもおそらく同じ体勢を取ることは容易に想像できるので遅かれ早かれギックリする可能性は高いです。

痛みを発したのは瞬間的なのですがそれはあくまでもきっかけに過ぎず、そこに至るまでの負荷量、ストレスの蓄積が大きな原因です。ギックリ腰を急性腰痛とは言いますが、その実態は限りなく慢性障害の要素を含みます。これを防ぐためにはいかに局所に掛かる負荷を溜めないかということと、いかに掛かる負荷を相対的に下げるかがポイントになります。

その破壊耐性を高めることは出来るの?

破壊耐性を高めることは可能です。冒頭にも「条件が良ければ”100”だった破壊耐性が”120”にアップしてケガをしにくくなる」と書きました。この方法をお伝えします。
とは言っても、今日やって明日見違える効果を発揮する魔法のようなものは存在しません。コツコツ少しずつ積み上げていく方法しかないんですよね。そう、トレーニングです。笑

トレーニングと言ってもむやみやたらにやっても効果は薄いです。
・負荷を支える姿勢をしっかり覚える
・その姿勢で負荷を扱うボリュームを増やす

こんなポイントで動けるといいですね。
体幹にはしっかり機能するポジョションがあります。それを感覚的に覚えて動けるだけで安定感が変わりますよ。その条件を満たしながら負荷を少しずつ増していけば、体幹の固定力がアップするので今までの負荷からからだが受ける負荷は相対的に小さくなります。

50kgでスクワットするのが限界の人が40kgを扱うのと、100kgでスクワットする人が40kgを扱うのは同じ40kgでも負荷が持つ意味が変わりますよね。より余裕を持って動けるようになります。動作1回当たりに掛かる負荷が「1.0」から「0.8」になるイメージです。【1回当たりの負荷×反復回数】が100を超えるとケガのボーダーラインを超えるとして前者は100回反復(1.0×100=100)で達するのに対し、後者は125回反復(0.8×125=100)で到達します。25回分のマージンが取れるようになるわけですね。

すでにジムで運動機会を作っている場合にも有効なハックを1つ。
かなり仕事モードそのままでトレーニングを始める人も多いと思っています。デスクワークで丸まった背中のままスクワットしてないですか?時間を確保してウォーミングアップをしっかりしましょう。自転車をこいでからだを温める、スクワットするにしても軽い負荷から始めて体幹の固定力を意識した動きづくりをする、ほんの10分の取り組みが結構明暗を分けます。
体幹を意識できるおすすめは【ゴブレットスクワット】です。しっかり胸を起こして動けるようにするといいですよ。

破壊耐性をアップして限界値を引き上げよう

ここまで【破壊耐性】というキーワードのもと色々な話を展開してきましたが、いかがでしたか?
破壊耐性を超えないようにするためには、

・絶対的な負荷総量を下げる → 作業量、活動量を減らす
・相対的な負荷総量を下げる → からだを強化して負荷に負けないからだを作る

こんな選択肢があります。
前者はすぐにできることですが、あなたの生活の質を大きく変えるかもしれません。仕事の都合上難しかったり、プライベートを制限する可能性も出てくるわけですからね。ポジショントークも多分に含まれますが、私は断然後者をおすすめします。すぐに結果は出ないかもしれませんが、本気で変えたいと思うなら行動するしかないですよね。

今回の記事をきっかけにして、あなたの生活が不安なく送れるようになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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