【論文翻訳レビュー】プロテインは本当に筋肉量を増やすのか?【意外な事実も】
プロテインの露出量はここ数年で爆発的に高まりましたよね。スポーツ用品店だけでなく、ドラッグストア、コンビニでも飲み物からお菓子タイプまで色々な形で売られています。通販でも海外の製品が手軽にしかも安く手に入りやすくなっています。私もiHerbでプロテインを買います。定期的に大型セールをするのでタイミングが良ければ2kgを\5000くらいで買えたりします。かなりお得です。
筋トレとプロテインは切っても切り離せないくらい強固な関係で結ばれていますが、本当にその効果ってあるんでしょうか?あるとしたらどのくらいの効果が見込めるんでしょうか?そんな論文を見つけたのでざっくり内容を翻訳レビューします。日々のトレーニングの参考にしていただければ幸いです。
ソースはこちら:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2018.00084/full
全てを確認するとかなりのハイボリュームなので概要から解説しますね。
増加するのは間違いない

結論から言うと増加は間違いなさそうです。もちろん増加の大きな要因は「トレーニングとセットで摂取した場合」ですよ。高たんぱく食を摂るだけで筋肉量を維持できるという報告もありますが、これは最後の手段です。したくても出来ない場合に活用して欲しいエビデンスなので、まずはいかにトレーニング時間を作り継続できるかにフォーカスしてみましょう。
今回、スポットを当てる論文内のトレーニングは「 Extreme-Volume Resistance Training」です。ヤバい量の筋トレをした場合と言うことです。この実験の参加者はトレーニング経験のある大学生でした。全ての人にこのデータが当てはまらないかもしれませんが、逆に言えば、しっかり量を消化できるようになればこのくらいの変化を出せる可能性があるということなのでモチベーションアップにもご活用くださいませ。
変化量で言うと「graded whey protein(GWP) 」(粉末中のたんぱく質含有量や精製方法でプロテインにはグレードがあります。GWPはいいヤツです。笑)を摂取したグループで体脂肪量を除いた体重(LBM)が6週間のトレーニングで約3kg増加したと報告されています。内臓がそこまで肥大することは考えにくいので、LBMの増加は筋肉量の増加とみなして差支えありません。トレーニング経験者が激しいトレーニングをすればこのくらいの変化が出せるんですね。
プロテインが完全に優位かというとそうでもないかも…

ただ、この論文はプロテイン万歳では終わりません。
実験のグループとしてはGWP、WP(少しグレードが落ちるプロテイン)、マルトデキストリン(MALTO)という糖質を摂取する3グループに分けました。
結論としてはGWPグループと同じくらいMALTOグループのLBM増加が大きかったんです。
この実験期間中は全てのグループである程度(体重1kgあたり1.6g以上)のたんぱく質摂取を要求していたので、MALTOグループが糖質ばかり摂っていたわけではありません。それでも、WPグループよりもLBM増加が大きかったのは興味深いですね。細胞内にグルコースを取り込み、血糖値を下げるホルモンであるインスリンはたんぱく質の材料であるアミノ酸も細胞内に取り込む働きを持っています。今回出てきたマルトデキストリンはこのインスリンを緩やかに放出し続けるので長い時間アミノ酸を細胞内に送り続けることになります。この作用が今回のLBM増加に一役買ったのではないかと考えます。プロテインと一緒に糖質を摂取するのはかなり効果的ですよ。是非試してみてください。
6週間のトレーニング期間で脂肪の減少量が最も多かったのはGWPグループ(6週間で-1.0kg)だったのでやはり高たんぱく食の効果は高いなとは思うのですが、LBM(体脂肪以外の重さ)の変化はMALTOグループでも十分な変化が出ていることを受けて、この論文内でもGWPが筋肥大に対し明らかに優位性があるとは言い難いと書いています。アプローチの仕方が1つではないという風にも取れますよね。これはポジティブな材料だと思いますよ。
スタートが肝心なのかも

結果をもう少し詳しく見てみましょう。
6週間のトレーニング期間でLBMの増加量は、GWPグループで2.93kg、MALTOグループで2.35kgでした。
これらの測定はトレーニング期間の開始前(PRE)、トレーニング開始から3週間後(MID)、トレーニング期間終了後(POST)の3回行われました。
実験の全参加者のLBM増加量の平均を期間別で見ると、PRE-MIDで1.34kg、MID-POSTで0.85kgでした。トレーニング期前半での増加量が多い結果でした。
この実験ではトレーニング量も1週目の10セットから6週目の32セットまで段階的に増加していくプロトコルを取っていました。LBMの増加はトレーニング量に比例しそうなものですが、実際はトレーニング量が多くなる後半では増加量が少なかったんです。これはトレーニングでの伸び代が時間が経つほど小さくなることを示す1つだと考えています。量が増えればその分休息時間も多く取って条件が変わるでしょうし、トレーニングを重ねるほど筋肉は遅筋化されていくのも1つかもしれません。
どちらにせよ、序盤にガツッと負荷を掛けてトレーニングを積んでいくイメージを持つことは大切になりそうです。
更に、このLBM増加については続きがあります。からだの浮腫みを考慮して増加量を見直すと更に増加量は減りました。
PRE-MIDで1.18kg、MID-POSTで0.25kgでした。後半の3週間では増加割合は前半3週間の20%程度まで落ちてしまうんですね。トレーニングの影響で筋肉が炎症を起こし筋肉内の水分量が多くなってることも考えられますし、糖質を取り込む際に水分も一緒に取り込むことになるのでMALTOグループではその影響も無視できません。MALTOグループのLBM増加はその割合も大きかったのかもしれませんね。
筋肉を増やしたければたんぱく質は必須

糖質の摂取でたんぱく質の摂取と同じ程度のLBM増加が確認でき、たんぱく質の一人勝ちは示せないかもしれないとはいえ、増加しているのは事実です。脂肪量の減少は最も多かったのでその点を重視するとやはりボディメイクにはたんぱく質は必須です。更に今回取り上げた論文では、1回のセッションで20セット以上実施することがLBM増加の一因とも結論付けているので、その点も1つ参考にできる数字ですね。
実験ベースの内容が全て当てはまるとは限らないので、是非この内容をあなたのトレーニングで活かしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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プロテインの記事はこんなのも書いています。よかったらのぞいてください。
【レビュー】あの”おやつカンパニー”もいつの間にか参戦していた【プロテインスナック】
以下は、記事執筆のために取ったメモです。参考にまでに載せておきますね。
論文まとめ:6週間の激しいトレーニング、その毎トレーニング後に25gプロテインを摂取、25-150gと漸増的に摂取、マルトデキストリン30g摂取グループに分けて
二重エネルギーX 線吸収測定法、インピーダンス法、超音波による上腕二頭筋、外側広筋の筋厚測定をプレ、ミッド、ポストで実施、VLバイオプシーも行い染色
GWPが最も体脂肪量を減らし、LBM増加を達成した。マルトグループも同じようなLBM増加だった。浮腫みの影響を考慮すると増加量は小さくなる。トレーニング期前半の増加が大きかったGWPグループの戦略は高負荷トレーニングにおいて効果的に体組成を変化させるものといえるかもしれない。しかし、マルトグループの大きなLBM増加はGWPグループの筋肥大効果の優位性を保証するものではない。今回のトレーニング介入では、浮腫みの影響を考慮するとLBM増加量は減少したものの、1セッションで20セット以上トレーニングするとLBM増加が見られたことはポジティブな結果だった。
大きなボリュームの筋トレは筋肉のたんぱく質代謝を促進し、筋肥大を促す。トレーニングのたんぱく質摂取はたんぱく質合成を高める。その効果は20gより35gの方が高いが、60gほどは不要。激しい筋トレとの組み合わせでは1.6g/kg/d以上たんぱく質を摂取しても筋肥大効果は変わらないという報告、0.3g/kgが最も筋合成を刺激した報告もある。
必要エネルギーから+500Kcalになるように調整。全ての参加者は1日の中で1.6g/kg以上のたんぱく質摂取を求められた。

