【Joint By Joint】効率よく動くための役割分担
Joint By Joint Theory
というアメリカの理学療法士グレイ クックが提唱した理論があります。
最近のフィットネスはこの理論を基にしたファンクショナルトレーニングが牽引していると言ってもいいのではないでしょうか。
ファンクショナル=機能的、実用的
に動けるようにしようというのがコンセプトです。
よく使われる言葉としては「人間の持ってる本来の動きを取り戻す」と言ったところでしょうか。商業的なパワーワードと解釈しています。
といったところで、Joint By Joint Theory(以下JBJT)がどんな内容なのかが今回のお話です。
各関節には適した役割がある
一口に関節と言ってもその数は膨大です。
まず関節とは、骨同士が接している箇所を指します。
前腕の骨と上腕骨が接している肘は関節ですし、指も小さい骨が接して関節を作っています。
そして普段は全く意識できませんが肋骨も背骨と接していて関節を作っていますし、骨盤も1つの骨ではなく3つの骨が合わさってお椀のような形を作っています。
上に示した例のように動きが大きい関節とほとんど動かない関節があります。
動く関節の中にも肩のように多方向に動くものがあれば、肘や膝のように曲げ伸ばしの方向のみに可動域を持つ関節もあります。JBJTはこの動く関節の役割を定義した理論と言えます。


誤解の無いように補足すると、この中で使っているMobility(モビリティ)=可動
Stability(スタビリティ)=安定
という言葉はそれぞれの関節がその機能だけを持てばいいということではありません。
動き全体を考えた時に効率的機能的に動作するために担う最大の役割がそれということです。スタビリティ関節が動いてはダメということではありませんのでご注意を。この捉え方を間違えると永遠にジャンプできないことになってしまいます(ジャンプでは膝が必ず屈伸しますよね)。
動作に必要なパワーを
作り出す、発揮する方向を変える=モビリティジョイント
ロスなく次の関節へ伝える=スタビリティジョイント
と考えるといいかと思います。
その役割が適切に機能しないと…
機能しないとどのようなことが起こるか、
胸椎(胸部分の背骨)を例に説明します。
胸椎は機能的な役割としては、モビリティジョイントなので動きを作る、動きの方向を変える領域になります。
ボールを投げる際にはこの部分が回転してボールを投げる動きを作っています。
関節の動きは姿勢によって大きく影響を受けます。
猫背で肩が前方に落ちているような姿勢だと胸椎の可動域は小さくなります。

この姿勢で遠くにボールを投げようとするとどうなると思いますか?
少し話は逸れますが、今回の内容に関係のある話を1つ。
脳はタスク主義であると言われています。
つまりどんな方法でも仕事が完遂できればそれでいいのです。
「モビリティジョイントを動かして、スタビリティジョイントを安定させて…」とか全く考えません。
この場合でもとにかく遠くにボールを投げられればそれでよく、その方法は問わないということです。
話を戻しましょう。
動作の効率としては胸椎が動いた方が無理なく動作を行えます。でも、今は姿勢が悪く胸椎が十分に動きません。
ではどうなるかと言うと、その分を腰(腰椎)が多く動いて胸椎の動きをカバーしようとします。肩、肘などが負担を強いられることもあります。

その動きを繰り返すと役割としては安定させるはずの腰が大きな動きを要求されて無理に動かされます。
結果、痛みやケガに繋がります。
動作の効率が悪いだけでなく、生活の質が低下する恐れがあるのです。

それぞれの動きをイメージしてエクササイズする
JBJTに則り動きづくりを進めようとすると
①各領域ごとに役割に沿ったエクササイズ(分離)

②各領域の役割を1つの動きの中で機能させる(協同)

③より速い、より強い動きで再現できるようにする

という順序でエクササイズを発展させるといいかと思います。各領域ごとの役割を遂行できるようにして動作の中でそれらを同時に行えるようにします。その動きを速度的重量的な負荷が掛かっても再現できるように身体の状態を高めます。その上で自身の目的を達するトレーニングに取り掛かれると最適です。
JBJTはFMS(Functional Movement Screening)やNASM-CESなどのベースにも共通した要素でかなり色濃く反映されているところが至る所で見られます。
NASM-CESについても書いています。
以下の書籍も面白いです。今回も参考にしました。

JBJTが頭にあれば多くの説明を受けずとも言わんとしていることがイメージしやすくなります。少なくても私はそうでした。
つまりJBJTは何かに特化した理論ではなく、人が動くためのベース、どんな動きにも共通した要素として自身の引き出しに置いておくと考える幅が広がるものだと考えています。
こんな汎用性の高いことが何故体系化できるのか…やっぱりプロフェッショナルだなと思いますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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