【筋肥大】1番効く設定
筋トレには1番効果的な変数がある
健康維持、ボディメイク、スポーツのパフォーマンスアップなど色々な目的で筋トレをする方がいると思います。
最近はフィットネスへの関心を高く持つ人も増え、男女問わずカッコいい身体を目指してトレーニングを始める人が多いのではないかと思います。
その中で、トレーニングをしようと思っても何をどのくらいやればいいのかが分からず、
イメージしていた結果が出ずに挫折…
という人も多くいるのではないでしょうか?
筋トレで起こす変化は大きく以下の内容に集約されます。
・発揮できるパワーを高める
・筋肉を大きくする(筋肥大)
・筋持久力を高める
皆さんの欲しい変化はどれでしょうか?
筋トレは上記それぞれの起こしたい変化について最適な負荷の範囲が分かっています。
その範囲を守らないといけない訳ではりませんが
最も効率のいい重さ、反復回数、セット数、休息時間などが具体的な数字で示されています。

特に難しいのは自分にあった重量設定です。
何㎏を扱えばいいのかが分かりづらいですよね。
上の表ではそれを1回だけ反復できる重さ(1RMと言います)の何%という風に表記しています⇒○○%1RM
そしてこの○○%と反復可能な回数は決まった関係性を持っていることが分かっています(下の一覧表参照)。

自分の目的に合った重量を見つける方法です。
75㎏で7回反復できた場合を例とします。
実際に反復できた回数を下図のオレンジ色の部分で探します。
そこから下方向へ扱ったものに最も近い重量を探します(赤い枠で囲った部分、今回は75㎏に注目します)。
75㎏の列を左端まで進んでぶつかった数字が推定の1RMです(青で囲った範囲)。
筋肥大を目的に10回で限界を迎える重さ(10RM)を知ろうとする場合は右に移動し、10回(RM)の行とぶつかる数字を目安とします。

正確な1RMを出すには限界により近い重量を扱う必要がありますが、実測するのは高いケガのリスクを伴います。
そこまでリスクを負って知る必要性も感じられないのでおすすめしません。
また、筋トレを始めたばかりでいきなり自身の1RMを求めるのもイメージがつかみにくいと思います。
まずは以下の方法を参考にトレーニングの下地をしっかり作りましょう。
1.まずは1セット10回など回数を固定し余裕を持って扱える
重量からスタートしましょう
2.決めた回数を反復し、まだ3-5回繰り返せる余裕があれば
2.5-5.0㎏ずつ重量を増して前のセットと同じ回数で次の
セットを行います
3.少ずつ重量を上げながらセットを重ねていき、3-5セットで
1日のセッションは終了しましょう
4.次回のトレーニングセッションでは今回のセッションで終了
した重量からスタートしセットを重ねていきます
5.この過程を繰り返し、決めた反復回数を完了するのが難しい
重量に到達したら1RMを測定して重量設定を見直してみま
しょう
上の行程からも分かるように同じことを何度も何度も繰り返します。
いきなりポンッとできるようにはならないんですね。
きっと何百回と同じ動きを繰り返しますがその中で扱う重量はスタート時よりかなり大きくなると思います。
大きな重量をしっかりコントロールして正確に扱うことが筋トレの本質で、それ自体を楽しめるようにマインドセットして欲しいと思います。
そうすればトレーニングは続きます。
トレーニングで重量を上げている自分に酔ってください。笑
パワーリフティングなどの競技を目指さない限り、周りの人と扱う重量を比べる必要はないので増えた重量を見て大いに自己満足してもらえればと思います!
ただ、扱う重量が増えても動かす範囲(可動域)が小さくなるとトレーニング効果は小さくなるので可能な限り大きく動かすことは忘れずにトレーニングを積み重ねましょう。
効果を上げる運動生理学
筋トレは身体に負荷を掛けることで起こる生理学的な特徴を理解しているとトレーニング中のイメージが鮮明になりますので、いくつか紹介します。
運動単位
筋肉はケーブルのワイヤーように細い筋繊維を束ね合わせて大きな力を出す構造になっています。
それらの細い筋繊維は1本1本が神経と繋がっていて脳からの刺激により収縮するようになっています。
1つの神経は複数の筋繊維と繋がっていて、この神経と繋がっている筋繊維をまとめて1つの運動単位と呼びます。
より多くの運動単位を動員できるとアウトプットが大きくなります。つまり出せる力が大きくなり、大きな重量を扱えるようになります。


全か無かの法則
次に1つの運動単位に注目します。
例として1つの神経に10本の筋繊維と繋がっているとしてこの運動単位が発揮できる最大の力を「10」とします。
つまり、力「1.0」×10本です。
ある物を持ち上げるために「5」の力が必要な場合、この運動単位はどのように働くと思いますか?
①力「0.5」×10本=「5」
②力「1.0」× 5本=「5」
正解は②です。
1本の筋繊維は全力で収縮するか全く収縮しないかの2択です。
これが全か無かの法則です。


ここから、より多くの筋繊維を動員するためには大きな負荷を掛ける必要があります。
サイズの原理
ここで言うサイズとは神経細胞の大きさを指します。
筋繊維には速筋繊維のtypeⅡb
遅筋繊維のtypeⅠ
中間のtypeⅡa
などがあります。
速筋は白身、遅筋は赤身とも言いますね。
速筋に繋がる神経細胞ほど大きく、遅筋へ繋がる神経細胞は小さくなります。
並べ直して特徴を比較すると、
筋繊維タイプ typeⅠ typeⅡa typeⅡb
神経細胞の大きさ 小 → 中 → 大
出せる力の大きさ 小 → 中 → 大
疲れやすさ 小 → 中 → 大
筋肥大効果 小 → 中 → 大
となります。
発揮する力の大きさによって小さい神経細胞とそれに繋がる筋繊維(小さい運動単位)から、つまり遅筋繊維から動員されるというのがサイズの原理の示す内容になります。
経済的に、効率的に運動するために発揮する力が小さくて済む場合は疲れにくいtypeⅠ繊維から動員されるということです。
つまりトレーニングの初めの数セットはtypeⅠ繊維を主に動員している可能性が高いです。
逆に言えば、肥大効果の大きなtypeⅡb繊維を積極的に動員したければトータルで発揮する力を多くする必要があります。
扱う総重量が大きくなってくるとtypeⅠ繊維だけで運動を完遂するのが難しくなってくるのでより大きな力を発揮できるtypeⅡ繊維を動員して運動を続けようとするのがその理由です。
更に面白いのが、サイズの原理には例外があります。
ジャンプなどの瞬発的な動きや階段を下る時のような動きでは、いきなりサイズの大きな運動単位(typeⅡb)が動員されます。
階段を下る動きは、
スクワットでゆっくりしゃがむ動き
と同じです。
筋トレでゆっくり動くようにする理由の一つはここにあります。
ゆっくりしゃがむ時に肥大効果の大きいtypeⅡ繊維が優先的に動員されるのでトレーニングによる筋肥大効果が高まるのです。

筋肥大を起こすテクニック
色々と筋肉の中で起こる現象についての知識についてお話をしてきたところで、次は実際にトレーニングで使えるテクニックやポイントをお伝えします。
ノンロック・トニック、スロー
俗にいう効かせるトレーニングです。
ノンロック・トニック
関節を伸ばし切らないことです。
例えばスクワットで立ち切ると骨格で重量を支えられてしまうので力を発揮しなくてもいい局面が生まれます。
筋肉に休む時間を与えずに常に力発揮を要求することがポイントです。
動作をしてはしゃがみ切る直前、立ち切る直前で動きを切り返すようにしましょう。
スロー
そのままです。
ゆっくり動きましょう。
カウントの仕方は色々かと思いますが、
しゃがみに3秒
立ち上がりに3秒
1回の動作に6秒
掛けるようにして10回も行えばかなり筋肉が張ってくる感覚が出ます。
力を発揮する時間を長く取ることが筋肥大の効果を高めることが報告されています。
興味のある方は
『Time Under Tention(TUT)』
『筋トレ 力積』
などで検索してみてください。
加圧トレーニング
上記のノンロック・トニック、スローと同じ効果が得られるトレーニング方法です。
四肢の付け根部分を圧迫し血流を制限して筋トレをすることで低負荷で大きな筋肥大効果を得られることが報告されています。
実施には専用の資格と器具が必要になります。
加圧のし過ぎで血流を止めすぎることは大変危険なので必ず有資格者の管理の下実施するようにしてください。
軽負荷でも時間は掛かるが筋肥大は起きる
冒頭に各目的に応じての重量や回数などを示しました。

この数字の意図は「最も効率的に」それらの変化を起こす組み合わせだということです。
最短でトレーニング刺激が効果に変わる条件ということです。
筋肥大に注目してみてもより多くの時間を掛ければ30%1RMの重量でも同等の筋肥大が起こることが報告されています。
同じ状態になるまで最短条件の何倍ものセッション、反復回数が必要になるかもしれませんが確実にその状態にはなれるというとこです。
この事実は色々な理由で高い負荷を掛けられない方にとってはとてもポジティブな話ではないかと思います。
焦らずゆっくり、軽めの負荷でトレーニングしても筋肉は大きくなりますよ。
一番大切なのはトレーニングボリューム
またまた冒頭の目的別のトレーニング変数一覧に注目します。
今度は休息時間です。

こちらも厳守ではありません。
筋持久力を高めるためには
より多くの回数を短い時間で反復させるのが効果的で、
パワーを高めるためには
多くの運動単位を動員するので筋繊維と神経をリフレッシュさせる時間がより多く必要になります。
その意味での休息時間を目安として示しているに過ぎません。
まず優先されるのは1回のセッションでの反復回数を確保することです。
例えば、筋肥大を起こすためには1回のトレーニングセッションで1部位につき40-70回の反復が必要と報告されています。
1セットを10回で組んだ場合、4-7セットが必要になります。
そして、その休息時間を1分に設定したとします。
セットを重ねるごとに筋肉は確実に疲労します。
少しずつ1分の休息時間では回復できなくなる場合も考えられます。
2セット目までは10回反復できても3-4セットが5回しかできなければその日のセッションでは合計30回しか反復していないので少ない反復回数でトレーニングを終了することになります。
そうなってしまうのであれば、休息時間を2分に伸ばしてでも回復を待ってから4セット全てで10回反復できることを優先した方が効果的ということです。
もう一つ大切な考え方は、
重量×反復回数×セット数=トレーニングボリューム
です。
具体的な数字を当てはめると
60㎏×10回×4セット=2,400(kg回セット)
単位の表記は置いておいて、つまりトータルで2,400㎏を上下させたということになります。このトータルで行った総量が大切になります。
この掛け算の結果が大きくなればトレーニング効果を上げることができます。
例えば、
70㎏×9回×4セット=2,520㎏
の方が反復回数は1回減りますがトータルで扱った重量は大きくなるので筋肥大が期待できるということになります。
重量を抑えても反復回数、セット数を増やせば同等のボリュームを達成することが可能ですね。
このことを意識してトレーニングを積み重ねると効果的です。色々な角度からトレーニングを行うことで停滞期を短く抑えて変化を起こし続け
何よりも達成感が大きいです。
精神的な栄養もたっぷりかと思います。
今回の内容は少しボリュームが多くなり情報過多かもしれませんが取り入れられそうな部分から日々のトレーニングに落とし込んでもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

