【長続きのコツ】トレーニング習慣を定着させるためにしてほしいこと
健康のため、運動や栄養について関心の高い方はとても多いと思います。
色々なメディアからたくさんの情報が世に出回り、それらをものすごく大切なように宣伝しますよね。
確かにその紹介されたものがピッタリ当てはまって効果が出た!という方も中にはいるでしょう。
でもその逆に
- 良いと言われていたからと続けているけど一向にどう変わったのか分からない
- 次から次に紹介されるものに乗り換えている
- 色々と取り組み過ぎて量が多過ぎ!元々何のためにしてたんだっけ?
なんて方も多いのではないでしょうか?
健康志向は間違いなく高まっています。
例えば健康番組がテレビで放送されれば翌日は様々な場所で様々な人から同じ話を聞きますし、
最近は高タンパク質を謳う食品がとても増えましたよね。
それだけ潜在的に健康への欲求は高く、長く保ちたいと思っている人が多いということだと思います。
世界保健機関(WHO)では
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、 すべてが満たされた状態にあることをいいます。
と定義していて、とても解釈に幅のある表現になっています。
そこから派生?して、それぞれに適した状態=Fitness、良い状態=Wellnessという言葉が健康を表わす言葉として使われるようになったと理解しています。
つまり一人ひとりが表現する『健康』の中身は少しずつ違います。
私と読者の皆さんでも『健康』というワードに対するイメージが違い、条件を満たす要素が違うはずなんです。
テレビ、雑誌などで紹介しているものがその点をどの程度考慮して制作されてるかはわかりませんが、これをすればみんな健康!というような万人に当てはまるようなものは本来ありえませんので情報を鵜呑みにして採用することはおすすめしません。
『大きなメディア=間違いなく正しい』の方程式は成り立たないということです。
そして紹介したことを実践してもし悪い結果が現れたとしても誰も責任を取ってはくれません。
とてもそんな危ない橋を渡ろうとは思いませんよね。
今回はこのように多様な側面があることを考慮し少しでも皆さんが主体的に考え実行に移せるように、そして健康づくりに対して路頭に迷う方を救うべく色々と始める前に考えてほしいことをまとめました。
《目的を明確にする》
つまり自分が今から起こそうとしている行動で
- どんな未来を手に入れたいか?
- どうなりたいのか?
この点を明確に、強烈にイメージすることです。
目標を達成するために最短距離を直線的に進んで行けることなんて滅多にありません。
必ずと言っていい程、紆余曲折があります。3歩進んで2歩下がるなら御の字、歩けども歩けども前に進まないなんてことも間々あります。
そんな時にモチベーターとなってくれるのがその初めに描いたイメージです。
私は迷った時や停滞した時には必ず始めの時点に戻り当初の決意を確認するようにしています。
目的を明確にすることはゴールを決めると同時にスタートも決めることになっているんです。
気持ちの問題、精神論なのかと言われれば、答えはイエスです。
気持ちの部分で納得できないと行動が続かないですし、そもそも始まりません。
なんとなく精神論・根性論が前時代的で敬遠されやすいのは理不尽にも拘らず間違った方向に努力するように仕向けた過去があったからであり、目標を達成するためには精神的なタフさは必要であると考えます。
運動以外の色々なことにも言えますが、期限を切った方が結果は出ます。
気持ちが続きます。達成感があります。
具体的な数字で目標設定しましょう。
- 3か月で3㎏痩せる
- 1か月で50㎞走る
- ジムに通っているなら1回のトレーニングでトータル5000㎏の重量を上げる
などになります。
《目的達成のために必要な要素を考える》
これは、トレーニングの原則にも触れてお話します。
専門的にトレーナーの勉強を始めると最初に習うのが『トレーニングの原則』です。
気になる方は是非調べてみてください。
その中でも私が大切にしているのは、
特異性の原則(SAIDの原則:Specific Adaptation to Imposed Demands)
と呼ばれているものです。
一言で表すと、行った運動がそのまま体の変化として現れるということです。
更に具体的に言い換えれば、
- スクワットをすれば脚の筋量が増える
- 10㎞走を続ければ全身持久力(長い時間運動する能力)が向上する
ということです。
脚に筋肉を付けるには最低限自分の体重を支えて立ちしゃがみできるだけの筋力が要求されますし、長い距離を走るためにはその距離を走りきるスタミナが要求されます。
今よりも強い負荷に耐えられるようにしなくてはいけないと自身の体に思わせた時に変化が起きます。
それがトレーニングの効果として現れ、変化を実感することに繋がります。
実際にトレーニングプログラムを立てる際には色々な側面から種目を検討しますが、大きな枠組みで言えば以下のような考え方で組み立てます。
- 筋肉を付けたいなら筋トレ
- 柔軟性を高めたいならストレッチング
- 持久力を付けたいなら走る、泳ぐ
ご自分の問題点を解決するためにはどの要素が必要かを考える必要があります。
多くの人が行っているものが正解とは限りません。
脚腰を強くするためにウォーキングでは十分に要素を満たさないのですが、実際にそのようなにされている方が多いように見受けられます。
そんなこと言われても、どうすれば…と皆さんの心の声が聞こえてきそうですね。
確かに正確に状態を判断するには専門的な知識が必要かもしれません。
それでも日常を振り返れば探るヒントはあるはずです。
例えば、階段を上るのが大変なのは持久力の問題か?脚の筋力の問題か?
別の場面で椅子や床からの立ち上がりが大変なら2つの側面から見て後者の可能性が高いです。
何気ない日常を少し客観視するだけでもそのような見当が付けられます。
反射的に行動せずに、『何故?』を考える習慣を付けることが皆さんが自身の健康を主体的に作ることに繋がります。
《細く長く続ける》
自身の状態について当たりが付いたら早速行動してみましょう。検討に検討を重ね、大いに検討を続け身動きが取れなくなる方がいます。
方法の修正を前提にまずは行動してみることが大切です。
重たいダンベルを扱ったり、全力ダッシュをしたりと高強度な運動でない限りは突発的なケガの可能性は低いでしょう。
行っていく中でおかしいなと思ったら中止し方法を変更すれば問題ありません。
また、一向に変化が起きない場合も変更を考えます。
柔軟性(ストレッチング)→発揮筋力(筋力トレーニング)→持久力
の順で変化に要する時間が掛かると考えています。
持久力は専門的に測定しない限り変化量を確認することが難しいのですが、柔軟性と筋力については日常生活の中で立ち上がり動作のしやすさなどで実感することが多いです。週に2~3回の運動でも1か月続ければ変化は見られるはずです。
コツコツと続ければ変化は現れます。
最近は『~するだけ!』、『1週間でこの変化!』のような楽に、時間を掛けずに変化を起こせるような触れ込みが目立ちます。
確かにそうできるに越したことはありませんが実際にそうなった人って本当に存在するんでしょうか?僕は会ったことがありません。
変化を起こすってそんなに簡単なことではないはずです。今まで長い時間を掛けて少しずつ変化したからこそなかなか気づけずに今日に至っているから困っている方が多いですよね。そして変化した時間とそれを戻すための時間は比例すると言われています。運動能力も同じで長い時間を掛けて獲得した能力は失うまでに時間が掛かるのですが、短期間で獲得したものはすぐに失われます。その点から見てもあっという間に変化が起きたら説明が付かないと思うんです。
長い目で目標を見ながら、必ず変わると信じ今日の課題をクリアする。
結局はその繰り返しです。そこに近道はないです。地道に進めるかどうかは精神的なタフさに現れます。
最初に入れ込み過ぎても燃え尽きます。極端なことをすると反動も大きいです。1度サボると手を付けなくなります。
毎日が負担なら2日に1回、もしくは1週間に何回と決めていくと続けやすいと思います。
更に始めのうちは1日の中でも行う時間を固定すると習慣化しやすいと思います。
例えば、
- お風呂に入る前に行う
- 寝る前に行う
など他のイベントと一緒にするといいかと思います。
《まとめ》
色々と書いてしまったのでまとめます。
- 『健康』と言っても人それぞれ求めているものが違うので、自分がどうなりたいのか目的を明確にしましょう。
- 手探りでもいいので目的を達成するために何をすべきなのかを考えましょう。
- まずは行動してみて、経過を追います。変化が現れなければもう1度何が必要なのかを考えてみましょう。
- すぐに結果は求められません。運動自体がストレスにならないように細く長く続けて、生活に落とし込みましょう。
今回はトレーニングを始める前の心構えを中心にお伝えしました。
劇的に変わる方法があれば私も喉から手が出るほど欲しいです。
でも実際には地道な積み重ねしかないというのが私がこの仕事をしてきての現在の結論です。
皆さんにとって目新しい情報では無かったかもしれませんが、まだまだイメージが先行してしまい実際どうなのかがわからない方が多いのではないかと感じているのでそういう方々に届くような情報を発信できればと思います。
長文駄文ご容赦ください。それでは。